第9回は世界のスラム街について。
「治安の安定しない地域」「貧困地域」「人口密集地」といった感じで、私大の入試とかには治安の悪い都市の名前やスラム街の名前が出てくることもあります。
ブラジルの「ファベーラ」はセンターでも出てくる重要単語。
2016年のリオデジャネイロ五輪ではファベーラの治安が問題になった一方、Airbnb(民泊サービス)でファベーラに安く泊まれちゃうなどの話題もありました。
出典:Wikimedia Commons (投稿者:Nate Cull)
ブラジルのスラム街をファベーラと呼び、ブラジル全土に600カ所あると言われています。特にリオデジャネイロでは人口の2割がファベーラに住むとされ、細い道が複雑に入り組んでいるので、麻薬組織やギャングの絶好の隠れ家となっています。
私はヨーロッパ・アジア・アフリカなどのゲストハウスで多くの旅人と話しましたが、「ファベーラ周辺では銃声をよく聞く」「手に持ったスマホを奪うために腕を切り落とされる」など映画のような噂話が絶えません。
映像で見てみたいという方は、「シティ・オブ・ゴッド」という映画をお勧めします。ファベーラとブラジルの貧困、それに伴う犯罪のリアルを垣間見れます。
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ところ変わってインド・ムンバイの「ダラヴィ・スラム」
ここにも「スラムドック・ミリオネア」という映画の舞台になったことで有名なスラム街があります。
ここは以前私も訪れました。
スラムの周辺に高架の歩道が造られていて、スラムを見ることができます。
実は有名になりすぎて、ちょっと観光地化されているんですね。
治安もそれほど悪くない印象でした。
「ダラヴィ」はインド最大級のスラム街で、ムンバイの近代的なビジネス街・金融街の足元にあり、そのコントラストが印象的です。
スラムで一番感じるのは、ごみ処理のシステムが構築されていないんだなということ。
あとは汚水・下水処理システムや仕事があるかないかなど、地域によって状況が変わります。
このダラヴィの近くには巨大な洗濯場「ドービーガード」もあります。
足で踏んだりとかなり古典的な洗濯方法ですが、おそらく洗濯業者が大量の洗濯物を請け負うビジネスが成立しています。
たくさんの洗濯物が干されていますね。
そして、かなりきれいに仕上がっていました!
白いワイシャツなどもあったことから、ムンバイのビジネスマン・金融マンたちからの注文もあるのかなと思いました。
続いてアフリカ、ケニアの首都ナイロビにある「キベラスラム」は世界最大と言われています。ナイロビの人口の半分、100万人がここに住むとか。
出典:Wikimedia Commons (投稿者:Michael Huniewicz)
ナイロビの中心街からこのキベラスラムの見学ツアーなどもあるそうです。
貧困層の方々はここに集まることで仕事の機会を得たり、生活コストを抑えたりできますが、環境は悪く伝染病などがスラムから発生することもあります。
ほかにも、紛争などから逃れてきた人々が行き場なく住み付いたり、地価の高騰によって住めなくなった人々が流れてきたり、スラムの形成には様々な理由があります。
日本にもかつて三大スラムと呼ばれた地区があります。大阪の西成、東京の山谷、横浜の寿町では日雇いの仕事を求めて人々が集まりました。
現在も超安宿や格安飲食店などがありますね。
ネットで調べるといろいろ出てくるので是非。
そして、途上国のスラムには本当にたくさんの子供たちがいます。
「医者や先生になりたい」という子もいれば「夢? 明日生きているか分からないよ」という子もいました。
でも共通しているのは今日できることを懸命にやっていること。
私も彼らから多くを学びました。
貧困や所得格差の問題は地理の試験でもよく出てくるので、それについてはまた書きたいと思います。
入試に出そうなところまとめ
・ブラジルのスラム「ファベーラ」
・インド・ムンバイの「ダラヴィスラム」、ケニア・ナイロビの「キベラスラム」
・スラムに住む理由は様々だが、根底は貧困問題
ではまた。