第14回はEUの交通・物流拠点、重要な都市をまとめていきます。
EUについての記事は以前書いたので確認したい方はこちらから。
geography-jyuken.hatenablog.com
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まずは海上物流の拠点。
基本的に関税がなく、完全自由貿易が行われているEUの国々とそのほか世界中の地域を結ぶ港がオランダのロッテルダムにあります。
その名も「ユーロポート」
EU最大の貿易港です。
この港はドイツへとつながるライン川の河口に位置しており、ユーロポートまで来た貨物をさらに内陸へ、内陸でできた製品を世界中に輸出するのにも役立ちます。
続いて空路の拠点。
ヨーロッパは世界の中でも特に航空網が発達しています。LCC(格安航空会社)も充実しており、私もイギリスからで5000,6000円程度でフランス・パリやスペイン・バルセロナなどに気軽に行きました。
ヨーロッパで主要な空港は
・シャルルドゴール空港(フランス・パリ)
・ヒースロー空港(イギリス・ロンドン)
・フランクフルト空港(フランクフルト・ドイツ)
これらの空港は「ハブ空港」と呼ばれています。
「ハブ」とは、自転車のタイヤの中心部分であり、そこから延びる無数のスポークのようにあちこちへ飛行機が飛んでいく様子からこう呼ばれています。
出典:Wikimedia Commons (投稿者:Bartosz Marcin Kojak)
例えばシャルルドゴール空港はフランスのナショナルフラッグ(その国一番の航空会社)である「エールフランス」が本拠地にしており、世界中に直行便を飛ばしています。
さらに、ハブ空港の特徴として乗り継ぎ利用があります。例を挙げると、イタリアのナポリからノルウェーのオスロに行きたいとき、2つの都市間に直行便はありません。しかしパリで飛行機を乗り換えれば行ける!という感じです。
こうなると利用客は多くなりますね。
次はEUにとって大事な都市を見てみましょう。
まず挙げるのは金融の中心、ドイツのフランクフルト。
ここには欧州中央銀行(ECB)があります。
ECBはユーロ圏19か国の金融政策を担っています。
日本の「日本銀行」は「円」の流通を管理し、日本の金融政策を担っていますね。
ECBはそのユーロ版。ユーロを使っている国々全体のお金の流れを見ています。
出典:Wikipedia (投稿者:Epizentrum)
続いての重要都市、ルクセンブルク。
ルクセンブルク大公国の首都ですが、とても小さい国なので国内唯一の都市と言っていいでしょう。
人口は50万人程度なのですが、その約半分が外国人。フランス人、イタリア人、ベルギー人、ドイツ人などがこの国にやってきて働いています。
税制優遇などの政策を取り、外資を積極的に受け入れたことで金融業や情報通信産業(メディアなど)が発達し、ヨーロッパトップクラスのビジネスマン、金融マンが集まるため所得が高くなっています。
もう一つ重要都市。
ヨーロッパの政治の中心はベルギーのブリュッセル。EU本部が置かれています。
先日私もEU本部を見学しましたが、EUの歴史や政治的機能を紹介した博物館は一見の価値ありです。
ここで一つ疑問が浮かびます。
なぜEU本部は古くからヨーロッパの中心であったパリやロンドン、ベルリンではなくブリュッセル何でしょうか?
一言で答えると、
ブリュッセルが多様な人々が住むヨーロッパの縮図だからです。
実際にブリュッセルを歩いていると、様々な肌の人が分け隔てなく働いていました。さらにベルギー国内ではフラマン語(オランダ語)、フランス語、ドイツ語が公用語とされています。また違う言語話者同士の会話には英語も使われます。
多言語・多人種の都市、ブリュッセル。
EUのことは、
(パリでフランス語を使って決めよう)
(ロンドンで英語を使って決めよう)
ではなく、ヨーロッパの人みんなで決めようという意識が、ブリュッセルという場所に本部を置く理由なんですね。
まとめ
・海運:ユーロポート(ロッテルダム)
・空路:シャルルドゴール、ヒースロー、フランクフルト、スキポール
・金融:フランクフルト、ルクセンブルク
・政治:ブリュッセル
ではまた。
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